二十四節気 夏めぐり
天龍寺。夢想国師が作庭したと云われる特別名勝・史跡の庭園。
桜のお花見の後は大方丈の前に広がる曹源池(そうげんいけ)の周囲を花木や草花が華やかに飾ります。
そんな中で赤花蝋梅(アカバナロウバイ)を見つけました。ワインレッドの色合いが新緑に映えていました。
I would appreciate it if you could feel a little cooler. Please be careful to maintain your physical condition.
This is the coolness of summer in Japan. →Click youtube !
Warm regards
Nobuaki Nagata
永田様
おはようございます。
20日は大変お世話になりありがとうございました。
両親は高齢になり出不精になりつつあり、私たちの帰国の際の今回の旅行が最後になるのではという思いがありました。
また、我が子たちに関しては独立する前に一度、京都へ連れて行きたいと考えていたので、本当によい社会勉強になったと思います。
海外に住むからこそ見える日本、そこから考える彼らの未来、刺激があったと思います。
また機会がありましたら、ぜひご案内をお願いいたします。ダラス、アメリカの友人たちにも永田さんをぜひおすすめしますね!
最後になりましたが、写真を添付いたします。
息子、琉海太(るうた)、娘、瑚々海(ここみ)もどうぞよろしくと言っておりました。
暑い折り、どうぞご自愛ください。
高橋様より
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アメリカ(ダラス)のお客様: 天龍寺、竹林、保津川、金閣寺、八坂神社、三十三間堂、清水寺、祇園
旧志賀直哉旧居は、昭和初期に自身が設計した和洋折衷の近代和風建築の数寄屋風の造りで庭園も侘び寂び寂びの世界観があります。
大正14年、京都の山科から奈良に移り住み、4年後の昭和4年、ここ奈良高畑に新居を構え、鎌倉に転居するまでの9年間をここで暮らしました。
春日山を眼前にのぞむとても穏やかな風光明媚な場所にあります。
当人は尾道、松江、京都、奈良、鎌倉等々、頻繁に居を移しています。
家族もありましたが、一カ所に定住できないやはり天性の天才肌の小説家であったようです。
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●奈良市高畑大道町にある昭和初期に志賀直哉(しがなおや)自身が設計した邸宅。
●国登録有形文化財および奈良県指定有形文化財。
●奈良学園が所有するため「奈良学園セミナーハウス」の呼称。
残暑お見舞い申しあげます。
引き続き、コロナ禍の中、皆様はお変わりなくお元気にお過ごしでしょうか。
今年は梅雨が長かったですが、また、梅雨末期のお天気です。
大きな災害にならないことを祈願しています。
今夏のお盆も緊急対応の中でご先祖様をお迎えしております。
16日は五山の送り火ですが、無事、お送りできることを願っています。
永田 信明
永田さん
本日はお世話になりました。
スコットさんは歴史が好きなので、英語で歴史の説明をしていただき大変助かりました。永田さんの英語も理解できたと申しております。
楽しかったそうで、私も嬉しいです。
あの後はホテルで少し休憩し、タクシーで錦市場に行きました。楽しかったのですが、そのあとホテルまで散歩がてら歩いて帰ろうしましたが、半分くらいで私がギブアップしました。今日は本当に蒸し暑かったです。
京都に来るのは、せっかくだから梅雨が明けるまで待とうかと話していましたが、今週末来てよかったです。真夏の京都の暑さは私には辛そうです。笑
また京都に来る時はお世話になります。永田さんも体調には気をつけて、いつまでもお元気でお仕事続けてくださいね。
それではまた^_^
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本日はありがとうございました。
暑い中大変でしたが私の案内を楽しんで頂けましたでしょうか?
スコット様は博学でユーモアがお好きで私も楽しませて頂きました。
どうぞ宜しくお伝え下さい。
また機会が御座いましたらどうぞよろしくお願いいたします。
永田
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平等院、伏見稲荷大社、清水寺
新型ウィルスで亡くなられた方々に衷心よりお悔やみを申しあげますと共に、ウイルスの影響で苦しむ方々すべての健康及び日常生活の回復をご祈念申しあげます。
ワクチン接種は万全ではないですが、まずはひと安心でしょう。
ただし、もちろんマスク装着のうえ、引き続き、3蜜回避とこまめな手洗い履行は必須です。
今後はワクチン接種率が高まり社会的な免疫力が確保され、さらに早期に日本製ワクチンや治療薬の開発が進むことを切に望んでいます。
ニューノーマルの安穏な社会までもう少しの辛抱、我慢かと思います。
今後ともよろしくお願い申しあげます。
Nobusanこと 永田 信明
京都国際ホテル跡地(二条城前)にオープンした高級ホテル。
この地は、福井藩の藩邸(京の連絡事務所)が置かれた場所で、留守居役が詰め、町人の御用掛を指定して、各種の連絡事務に当たった所となります。その後、この地は三井総領家(北家)の邸宅と大元方(三井の事業と家を統括)の所在地となり、さらに、この下にある京都ANAホテルは南三井家の居宅跡地となります。
元禄16年(1703年)に創建され、三井総領家(北家)の時代より本敷地で受け継がれてきた梶井宮門をホテルのエントランスとして移設しています。
京都国際ホテルは老朽化もあり、惜しまれながらもその歴史に幕を閉じてから、コロナ禍の前、2020年11月に新たな高級ホテルとして生まれ変わりました。
今まで、多くの芸能人や結婚披露宴などに利用されてきたホテルです。そう云えば、北大路欣也が叔父にあたるホテルマンも務めていました。確かに、似ていました。
Fu are available in various forms including the chewy nama-fu (fresh gluten cakes), the crisp yaki-fu (toasted gluten cakes) and age-fu (deep-fat fried gluten cakes) used in Chinese cooking.Utilizing seasonal fish, Kyoto vegetable and characteristic Kyoto protein, also fresh yuba and wheat gluten, with the techniques that owner learned at several Japanese restaurants, elegant cuisine are served within the warm and modern Kyoto-style dining space.
Nama-fu is sometimes used to make confectioneries in addition to being used in cooking.
Nama-fu is one of the traditional ingredients of Kyoto.
You will be impressed by the mysterious feeling and delicate
taste. This is the essence of Kyoto cuisine.
FUKA Honten
Higashi-uratsuji-cyo Kamigyoku-ku Kyoto
info@fuka-kyoto.jp
残暑お見舞い申し上げます。
連日の猛暑には閉口しております。また、コロナ禍の中、皆様はお変わりなくお元気にしていらっしゃいますか。
・早朝のお寺参拝、境内の池の蓮蕾が正に開く時でした。
・夕涼みがてら鴨川散策、コサギが鮎を狙っていました。
この暑さも当分続きそうですが、くれぐれもご自愛ください候。
永田 信明
妙心寺のお精霊迎えの儀式。お盆の前にご先祖様が私たちのところに帰ってこられますが、そのご先祖様をお迎えする儀式がお精霊迎えです。毎年、妙心寺の山内にて行われます。
例年、立秋を過ぎの8日と9日に迎え鐘と言って年に一度お精霊迎えのときだけ撞くことができる鐘を鳴らし、ご先祖様が間違ったところに帰られないように合図します。
そして狩野探幽(かのうたんゆう)筆の立派な龍の天井画がある法堂(はっとう)の前では、和尚さまにご先祖さまの戒名をお塔婆に書いていただき、それをお堂の中で読み上げて御勤めをしていただきお迎えいたします。また、鈴と鉦の美しい響きとともに仏さまとその教えをお唱えする御詠歌も心に響きます。
今年はこれらの行事も簡素化して行わていましたが、その分、ご先祖さまを心静かにお迎えできました。(合掌)
そして16日、大文字の送り火で先祖の霊を送り返します。昔に戻ったような静かな送り火となりそうです。
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●妙心寺(みょうしんじ)
●宗派 臨済宗妙心寺派大本山
●開基 花園天皇
●開山 関山慧玄(無相大師)
●開創 暦応5年/康永元年(1342年)
●ご本尊 お釈迦さま
●寺歴
日本にある臨済宗寺院約6,000か寺のうち、約3,500か寺を妙心寺派で占める。近世に再建された三門、仏殿、法堂(はっとう)などの中心伽藍の周囲には多くの塔頭が建ち並び、一大寺院群を形成。平安京範囲内で北西の12町を占め自然も多いため、京都市民からは西の御所と呼ばれ親しまれている。その繁栄もあり「妙心寺の算盤面(そろばんづら)」とも云われる。
飛鳥寺。蘇我氏により建立された歴史のあるお寺。588年、聖徳太子とともに仏教を崇拝し政治に取り入れようと尽力した蘇我馬子(そがのうまこ)が建立を願い、8年後の596年に創建。
ここの仏さまは今から1400年以上前から一度もそこを動かず鎮座し続ける「飛鳥大仏」。今まで人々の安穏を願って座り続けています。
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●飛鳥寺
●真言宗豊山派
●開山 蘇我馬子
●開創 6世紀末頃
●ご本尊 釈迦如来(飛鳥大仏、重要文化財)
●寺歴 推古4年(596)、仏教を保護した蘇我馬子の発願により日本初の本格的寺院として建立。現在の本堂は江戸時代に再建。ご本尊の銅造釈迦如来坐像(重要文化財)は創建時、飛鳥時代の作で日本最古の仏像。お寺の西側には蘇我入鹿の首塚と呼ばれる五輪塔もあります。
奈良県桜井市阿部にある“三人寄れば文殊の知恵”で知られる日本三文殊の一つの安倍文殊院。
陰陽師・安倍晴明が陰陽道の修行をしたと云われており、2004年(平成16年)には晴明堂が200年ぶりに再建。
また、安倍さんが「第90代内閣総理大臣 安倍晋三」名義で石燈籠を寄進しています。安倍家代々は安倍晴明と関わりがあると云うことです。
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●安倍文殊院(あべもんじゅいん)
●宗派 華厳宗
●開山 安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)
●開創 大化元年(645年)
●ご本尊 文殊菩薩
●寺歴 大化の改新の時に左大臣として登用された安倍倉梯麻呂が大化元年(645年)に孝徳天皇の勅願もあって安倍氏の氏寺として安倍山崇敬寺(安倍寺)を建立したのが始まりと伝わる。
今年の祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行が中止となりました。阪急電鉄の地下工事による1962年以来、58年ぶりとのこと。
祇疫病退散を祈願した祇園御霊会(ごりょうえ)が始まりの祇園さん。
暑い夏の京都も、今年はクーラーの中で過ごす夏となりそうです。「コンチキチン」の祇園囃子の音がない異例の夏となります。
今年は「ちまき」もネット販売で購入し、COVID-19の退散を祈願します。
退蔵院。右京区花園にある臨済宗のお寺。初期水墨画の代表作である国宝「瓢鮎図」を所蔵することで知られる妙心寺屈指の古刹。非公開が多い中、通年公開されているお寺の一つ。
梅雨の余香苑*、少人数の参拝の方々とひっそりとした中でお庭を愛でることができました。
*昭和の造園家・庭園研究家として名高かった中根金作氏の作庭。名栗の門をくぐり左右にそれぞれ「陽の庭」・「陰の庭」と名づけられた枯山水のお庭。さらに進んで、水琴窟のある蹲踞(つくばい)の脇を通って小坂を下り、最も低い位置にある藤棚付近から振り返ると、流れ・池を含む庭の全景が見渡せるようになっています。
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●退蔵院(たいぞういん)
●宗派 臨済宗妙心寺派大本山妙心寺の塔頭
●開山 無因宗因(むいんそういん)禅師
●開創 室町時代応永年間(1404年)
●ご本尊 お釈迦さま
●寺歴 退蔵院のはじまりは今からおよそ600年余りの室町時代。妙心寺第三世無因宗因(むいんそういん)禅師を開山として京都市内千本松原通あたりに創建。その後、妙心寺山内へ移転。応仁の乱では妙心寺の伽藍と共に焼失しましたが、永正年間(1504-21)に亀年禅愉(きねんぜんゆ)禅師により現在の地へ再建。
残暑お見舞い申し上げます。
暑さはおさまる気配もございませんが、御身大切にお願い申し上げます。
今日は台風の影響で強風と暑さの中の京都ですが、明日16日は20時からお精霊送りの「五山送り火」です。 合掌
2019.8.15 永田 信明
追伸) 今年も同じ火で送ります。京アニのためにも消災呪を唱えます。
天龍寺。臨済宗天龍寺派の大本山。室町幕府初代将軍足利尊氏が後醍醐天皇の霊を慰めるため暦応2(1339)創建、開山は夢窓国師。
室町時代の京都五山の第一位。池泉回遊式庭園の曹源池(そうげんち)庭園は、当時の原型を残すもので、亀山と嵐山を借景とした庭は、壮大にして優美です。
旧大乗院庭園。奈良ホテルに隣接した庭園。室町幕府の八代将軍足利義政に重用された作庭の名手、善阿弥(ぜんあみ)とその子が、京都から招かれて改修されたものです。没時は97歳と長寿で、晩年の善阿弥が病床に伏した際には、義政は使者を遣わして見舞い、高貴な薬を届けたとも云われています。
子の小四郎らも庭師として仕え、京都慈照寺(銀閣寺)の庭園は彼の子の二郎、三郎、及び彼の孫の又四郎による作品。善阿弥などの作庭に携わった者や、熟練した技術を持つ河原者たちを、特に「山水河原者」とも称されています。
渉成園。お東さん(東本願寺)の飛地。JR京都駅から徒歩15分ほどで、都会のオアシスのような場所です。外回りにカラタチ(枳殻)を植えていたために「枳殻邸(きこくてい)」とも云われています。
回遊式の庭園で、詩仙堂を営んだ詩人・書家の石川丈山の作庭と云われています。
渉成園の池の水源は高瀬川から分流した水路で、明治23年(1890年)に琵琶湖疏水が開通すると、蹴上に東本願寺用の水槽が設けられ、防火用などに境内まで専用の鉄管を布設し、本山の掘割や渉成園に引き込んでいます。
現在、侵雪橋の架け替え工事中(社寺建築専門の伸和建設が担当)で、大きな印月池の水が秋まで抜かれています。水のない池も珍しい風景です。
渉成園への入場は5百円以上の協力金の形となっています。しっかりしたガイドブックが頂けます。思わぬ隠れスポットが点在していますので、事前にチェックしてから見学すると良いかと思います。
なお、茶坊主千利休と親交があったことから茶室も再建、その内、2階建ての茶室「蘆菴(ろあん)」が特別公開(~9月30日まで)されています。
残暑お見舞い申し上げます。立秋、暦の上ではもう秋ですが、迷走する台風5号で京都も午後から大荒れ。
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。加茂川と高野川に挟まれた三角地帯にある神社、通称、下鴨神社。ユネスコの世界遺産登録。
先月は「みたらし祭」。とっても冷たい川の水に足をつけ、無病息災を願う人々で賑わっていました。暑い京の夏の風物詩です。
ところで下鴨神社境内一角のマンション建設などでもめにもめましたが、「式年遷宮」を行うための資金確保のため、背に腹はかえられぬことから実施されました。
一方で二条城の大型バス駐車場確保のため、強い反対意見がある中で、北西角の貴重な森が伐採され、整備されました。
この両者、論点は異なりますが、かつての植生や生き物などの自然や文化価値の破壊であることには相違なく、遺産価値も下がることになったかと、とても残念な事案。
1200年以上の長い歴史がある京都、長い目線で英知を引き出すことが京都観光の発展に求められていると思います。
妙心寺経蔵。寛永13年(1673)の建築で輪蔵(りんぞう)を設置。重要文化財に指定。普段は非公開ですが、梅雨明けの7月下旬の早朝6時前から二日がかりで山内の和尚さまによって800個余りの箱から出した経典を扇状にひろげ翻転して風を入れ、また、箱の中の埃を刷毛で落とす際、カラカラという音が奏でられ、虫干しは夏の風物詩の一つ。
正面の扉には「輪蔵」の創案者傅大士(ふだいし)さまが座しておられます。彼は禅宗の祖・菩提達磨と出会い、その指示に従い山中で昼間は農作業を行ない、夜になると仏道に励む在俗の生活をしながら仏さまに深く帰依。その後、たとえ文字の読めない人であっても、万人の誰もが仏さまに出会うことのできる方法はないかと考え、輪蔵を回転させ、納められた経文をすべて読誦した功徳を得られる方法を考案。
傅大士さまの著名な言葉。
「あさなあさな、仏とともにおき、ゆうなゆうな、仏をいだきてふす」
衆生が仏と一体となって仏道に生きることを奨めています。俗に「笑い仏 」と云われ、幸福の生き方の本質を追求した中国の高僧。
今日の早起きは三文の徳となりました。
律宗・法金剛院(ほうこんごういん)。JR花園駅前にあるお寺で山号は五位山。ご本尊は阿弥陀如来、開基は待賢門院。
文月の誕生花ハスで有名な別名“蓮”の寺。また、境内の一隅にある「青女の瀧(せいじょのたき)」は日本最古の人工滝、平安末期の遺構で国の特別名勝。
蓮の花の見頃7月から8月にかけ「観蓮会」が行われ、早朝7時から開門。蓮は早朝に咲き、昼頃には閉じてしまう可憐なお花。大型バスで多くの観光のお客様も訪づれます。
昨日は祇園さん前祭の山鉾巡行が雨も降らず無事終わりました。午後と昨晩にはかなり強い通り雨がありました。早朝7時に参拝、本堂で阿弥陀さまにお経を唱えた後の心静かな鑑賞は、蓮の花が語りかけているようでとても神秘的でした。この季節は苔も青々としています。
暑中お見舞い申し上げます。
京都の夏の風物詩・祇園祭。八坂神社(祇園社)の祭礼。祇園御霊会。例年、京都では宵山頃に雷がなり、梅雨が明けると云われます。まもなく蝉も鳴き出し始めます。
今週7月10日から山鉾建てが順次行われています。
「動く美術館」に例えられる山鉾巡行。2014年からおよそ50年ぶりに山鉾巡行が「前祭(さきまつり)」(7月17日)と「後祭(あとまつり)」(7月24日)が復活。花傘巡行も後祭とあわせて行われます。
是非、後の祭りにならないようにお越しください。
今年は九州北部を襲った記録的豪雨、昨今、このような大きな災害が続いています。
お亡くなりになった方々やご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。加え、皆さま方の無病息災を祈念いたします。
妙心寺。臨済宗妙心寺派大本山。山号は正法山、本尊は釈迦如来。開基は花園天皇、開山は関山慧玄(無相大師)。寺紋は花園紋(妙心寺八つ藤)。御所のような広さがあり、「西の御所」と呼ばれ親しまれています。
早朝はいつものように朝6時に梵鐘が突かれ、修行道場では修行僧のお経を唱える声と時折、絶叫や罵声のような魂の声が響きます。自らの限界を知るための厳しい修行が行われていることでしょう。
月一度の日曜日は、前日からお泊りで早朝から座禅を法堂(はっとう)で行っています。時折、警策の乾いた音が響いてきます。しばらくすると座禅体験者が法堂を一回りする足音が聞こえてきました。
仏殿のお釈迦様にご挨拶後、法堂の石段に座り、しばしのマインドフルネス。
禅寺の凛とした佇まいの中で耳を澄ますと不思議とすべての音が心の中に入ってきます。
心静かにお聴きください。
>>妙心寺、早朝の音(Listen to it for 8minuts30sec.)
車折神社(くるまざきじんじゃ)。境内社が「芸能神社」。ここには天宇受売命(あめのうすめのみこと)を祀っています。
『天照大御神が天の岩戸に入り扉を閉ざして、この世が暗闇になってしまった時にこの天宇受売命が天の岩戸の前で、とても妖艶な舞を踊り、引き籠った天照大御神を外に出した』という故事があります。日本最古の踊り子さんで不思議なパワーがある魅惑的な女神様です。
芸能人だけではなく華道や書道、茶道など幅広く信仰されるパワースポット。聞いたことのある著名人の名もチラホラ。
ちなみに、玉垣奉納の期間は2年間で8500円ということ、案外と割安でした。
日蓮宗本山、本法寺。本阿弥家の菩提寺、また、長谷川等伯や本阿弥光悦らの秀逸した宝物を多く所蔵。近くには裏千家、表千家もあり、茶坊主のお庭のようなお寺です。
紫陽花もやっと大きくなりました。
また、この度、先の大戦(*)の戦場として歴史に名をとどめる「百々橋」(どどばし)の礎石の一つがあるこの場所をきれいに整備。先の大戦はもちろん応仁の乱。細川勝元(東軍)と山名宗全(西軍)の両軍が、橋を隔てて数度にわたり合戦を行い、小さな橋に戦国乱世のひとこまが刻まれることとなりました。
梅雨も最中ですが、西陣では「宗全さんが東進しはると梅雨があけますのや」と今でも雨がべんがら格子や京町家の屋根をたたく音などが、宗全率いる武者たちの甲冑の音やどよめき声に聞こえるようです。
今年は応仁元年(1467年)、応仁の乱の勃発から550年、しっかりと先の大戦として伝承されています。
* 先の大戦は、第二次世界大戦と思う京都人も多くなりました。昭和もそろそろ昔となりつつあります。
大仙院。臨済宗大徳寺派の塔頭。
室町時代を代表する禅寺ならでは枯山水庭園などは必見。このお寺にも沙羅双樹があります。
「いま頑張らずにいつ頑張る!」などの個性的な説法で有名な同寺の前住職、尾関宗園和尚さま、現在はご隠居、それでもまだまだ禅の指導などでご活躍されています。
その昔、まだ住職さんの頃に訪づれた際に、目の疾患だったようで眼帯をしていましたが、お客さまが受付に来られれる度に、わざわざ外して対応をしていました。一期一会のおもてなしのこころかもしれません。流石と思いました。
大徳寺の東門の前にある酒屋さん、尾関和尚さまが命名した大吟醸「雪紫」を扱っています。蔵元は俳優・佐々木蔵之介さんのご実家、洛中唯一の佐々木酒造さん。
今宮神社。大徳寺の北西に道を挟む場所にある今宮さん、別名「玉の輿(たまのこし)神社」で、由来は西陣の八百屋生まれの「お玉」が徳川3代将軍家光の側室となり、5代将軍綱吉の生母、桂昌院として従一位となった由。
本日6月30日は各神社で「茅の輪くぐり」が催されました。茅(ち=かや)の輪をくぐり罪やけがれを取り除き、清らかになるようにお祈りする神事。
6月30日の「夏越祓」、大晦日の「大祓」と年2回行われます。
早くも半年が過ぎますが、引き続き安穏でお過ごしください候。
参拝後は、黄粉と砂糖の素朴で淡い甘い味の「あぶり餅」を楽しみました。
一方で、街の餅屋さんは「水無月」で大忙しでした。
今日はお上推奨のプレミアムフライデー、地元の方に加え多くの観光の方々も参拝。
鹿王院(ろくおういん)。臨済宗単立寺院。山号は覚雄山。本尊は釈迦如来。開基は足利義満。
客殿には義満筆の扁額「鹿王院」が掲げられています。客殿の前のお庭は舎利殿と嵐山を借景とし、苔で覆われ、石組と植え込みを配した平庭式の枯山水庭園。その奥には大きなナツツバキ(沙羅双樹)が花を咲かせていました。このお庭は舎利殿が建立された宝暦13年(1763年)頃の造園と推定されます。
また、茶室「芥室」は俳優大河内傳次郎の寄進のもの、ただし非公開。
久しぶりの梅雨空、お日様も顔を出し、苔が映えるお庭で鶯が鳴いていました。→Listen to it for 35 sec.
このお寺は女性を対象とした宿坊で、朝のお勤め、坐禅、朝食の精進料理、法話などが体験できます。
ちなみに、本当の沙羅双樹は琵琶湖烏丸半島の水生植物園にあります。
東林院。臨済宗妙心寺派大本山の妙心寺塔頭。本堂前庭の十数本の夏椿が6月15日から30日まで「沙羅の花を愛でる会」で特別公開。お抹茶付きで1,600円・・・とややお高いですが、「拝観料5百円+お抹茶5百円+指定席料金?」の感じでしょうか。大勢の方で愛でては風情がありませんので納得。でも、お布施をお収める方が気持ちはいいです。
このお寺は宿坊で、西川住職さんは精進料理で徳をつむお坊さんでもあり、宿泊すると精進料理や料理教室も楽しめます。精進料理は毎日の食事でも飽きのこない淡い味付けとなっています。メリハリの利いた味に馴染んでいる現代人には、逆に飽きがくるかもしれません。食も修行の内と云うことのようです。
ちなみに、妙心寺門前には御用達の精進料理店「阿じろ」もあります。
宿坊での精進料理のお食事に加え、翌朝のお勤めも良い体験です。
門前の紫陽花がきれいです。沙羅双樹の花は心に焼き付けました。
外国のお客様の古都への憧れのキーワードに「Off The Beaten Track Itineraries or Unbeaten Tracks Itineraries」(観光客にあまり知られていない場所)、古刹(こさつ)があります。
元々は明治の初めの英国人紀行作家ビショップ夫人の"Unbeaten Tracks in Japan"(日本奥地紀行)から派生したキーワードかと思います。
女史は、この紀行文の中で日本の安全性や日本人の勤勉さとホスピタリティを高く絶賛。当時から日本の社会は、東北の片田舎でも、精神論としては文明国家だったことが伺い知れます。
私もご案内する際には、例え著名な観光寺でも、"Unbeaten Tracks"の精神を大切にしながら対応しています。
今回のご紹介は観光客はまずは訪づれることのない遺構の一つ「西寺」(さいじ)。
ときは823年(弘仁14年)嵯峨天皇から空海に東寺が、守敏(しゅびん)に西寺が与えられ、両寺は常にライバルとして平安京の守護を担っていました。空海とは何事にも対立していたとされる守敏は、真言密教にも通じていたとされる僧都(そうず)の位にある高僧。
しかし、翌年の干ばつの時、有名な神泉苑での雨乞いの儀式で空海に敗れたことに怒り、彼に矢を放ったものの地蔵菩薩に阻まれたとの逸話も伝わっています。現在、羅城門跡の傍らに「矢取地蔵」が祀られています。同じくして西寺も寂れていったとされます。
当時の平安京のメインストリートは「朱雀大路」、その南端には、芥川龍之介の著書でも有名な「羅(生)城門」(らじょうもん)が都の正門に聳え、その門を入ったすぐ右手が「東寺」、左手が「西寺」です。
現在の西寺は、発掘時出土した金堂礎石の一部が残るのみですが、金堂・廻廊・僧坊・食堂院・南大門等の遺構が確認されています。塔跡の礎石は、南側にある唐橋小学校の敷地付近と思われるものの、地下に埋もれているのか、すでに破壊されたのかは、今でも分かっていません。
でも、羅城門から聳え立つ平安京のランドタワー、東寺、西寺の塔は、平安京の玄関にふさわしく威風堂々と都を守っていたものと容易に想像できると思います。
あまり知られていない京都観光、思い出に残るご観光をお楽しみください。
空梅雨で心配な面もありましたが、これからはやっと梅雨らしい季節になりそうです。
梅雨に映える苔の名所ランキング「人気広がる苔の名所10選」(日本経済新聞・6/17付)に京都のお寺が3箇所入っていました。
・西芳寺 120種が覆う圧巻の「苔寺」
ユネスコの世界文化遺産。拝観には2カ月前から往復はがきでの申し込み要。
・三千院 お地蔵さんもかわいい大原の古刹
苔に埋もれる姿がとてもかわいらしいお地蔵さんです。
・東福寺 禅寺でのモダンアートな幾何学模様
本坊庭園は造園家の重森三玲作庭。苔と敷石が描く幾何学的な市松模様が美です。
京の代表的なお庭には、池を配した「池泉(ちせん)庭園」、禅寺の白石を敷き詰めた「枯山水」、苔を敷き詰め「苔庭」などがあります。
6月の梅雨と秋の長雨が明けた頃のお庭は苔の緑がとても映えます。
宗蓮寺(そうれんじ)。浄土宗捨世派(しゃせは)。北山杉の里、北区中川の中尾山にある室町時代末期創建の刹那古寺。
京都駅近くに同じく捨世派「正行院」(東洞院通塩小路下ル東入)があります。開山は円誉上人。猿をひざに乗せた上人座像や猿の人形がある通称「猿寺」。
このお寺には逸話があります。
北山中川の里で念仏修行の時、猿などの動物を可愛がり、災難除けのために「南無阿弥陀仏」の御名号のお守りを授け、そのお陰で狩人の狩猟から猿の命が救われたという故事。
庵をむすんだところが宗蓮寺と云われています。
宗蓮寺へは標識もなく、公衆トイレもなく知っている人だけが訪れる小さな花の山寺。
シラン、シャクナゲ、ササユリなど四季折々の花がありますが、特に秋は「貴船菊」で境内が華やかに彩られます。一般には秋明菊(しゅうめいぎく)ですが、貴船(きふね)神社周辺に自生していたもので「貴船菊」(きぶねきく)と呼んでいます。
北山の森の中にある和風ガーデンで心が洗われるひと時をお楽しみください。
特に、赤い毛氈が敷かれた書院から北山台杉と花木を眺めながら、お抹茶とお菓子をいただく贅沢なひとときは別格。お布施での拝観(1,500円)となりますので、事前に拝観予約ください。
例年10月初旬に尺八コンサートが開催されます。草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしつかいじょうぶつ)の世界、風情そのもの。
また、旧周山街道にある中川地区は、川端康成の小説「古都」の舞台となった所で、磨丸太倉庫や茅葺古民家などもあり、磨き丸太の体験も楽しめます。
2009年、堀川が復活。せせらぎの音を聞きながら、二条城前から散策を楽しむことができるようになりました。この川は、平安京左京二坊に南北に流れていた運河。かつて、川岸には材木商が集まり、中世以降は染織業者も川筋に現れ、現在も周辺には、丸太町、椹木町(さわらぎちょう)などの地名が残されています。
まさか「一条戻橋」の下が散歩道になるとは、式神もさぞかし驚いていることでしょう。
「戻橋」という名前から、嫁入り前の女性や縁談に関わる人は嫁が実家に戻って来てはいけないと、この橋に近づかないという習慣が今でもあります。
特に、若い観光客の女性の方々、晴明神社の途中に、この橋への寄り道は避けたほうが良いかも知れません。せっかくのご利益が失せるかもしれません。
「一条戻橋」の次の橋が「堀川第一橋」。1873年(明治6年)に架け直されたもので、地元では「中立売橋」と云います。今年になって京都市指定有形文化財に指定。
この付近では、夕暮時によく撮影しているようです。船越英一郎、片平なぎさ、高島礼子などの有名人に出会えればいいですね。
京都は、東映京都撮影所があることやTVドラマなどのロケ地としても人気があることから、街を歩いているとロケに出会うこともしばしばあります。最近のメッカは、一条戻橋の下にある明治6年に架けられたアーチ石橋「堀川第一橋」の近辺でしょう。
今回はNHKのBSプレミアム放送の「京都人の密(ひそ)かな愉(たの)しみ」の最終話「桜散る」(昨晩5/13放映)で登場した撮影スポットで気づいた場所を中心にご紹介します。
「京都人の密かな愉しみ」は、二十四節気の細かい季節感をテーマとした映像美に加え、京都人の心の本質を探る内容で、3つのドラマが章を変えて進行する構成や京都人もドラマとは別に登場する番組構成で、毎回、楽しみにしてきました。
● 老舗和菓子の娘三八子(常盤貴子)と弟子の三上(石丸幹二)の別れと再開
本法寺多宝塔と満開の夜桜が見事でした。裏千家に隣接する裏千家の境内のようなお寺ですが、宗派は日蓮宗本山。本阿弥家の菩提寺で、長谷川等伯や本阿弥光悦らの秀逸した宝物を多く所蔵。
● 桜の陶芸家の桜皿に秘めた大人の愛の物語
京都市内の最果て左京区広河原・窯築窯蕗窯(小松華功)。密会の場所は、サスペンスマジックで右京区京北町の「魚が渕の釣り橋」。枝垂桜も見事でした。桜守の佐野藤右衛門さんもお元気に山桜を木登りして登場。
桜皿をセットであることを鑑定したお店は、小川通り今日庵、不審庵の上にある「茶道具みやした寺之内通店」。
● ヒースロー(団時朗)の縁切りの願い・三八子の凛とした日傘姿
西陣の雨宝院と不焼寺(焼けずの寺)の瓦塀(本隆寺)。雨宝院は古義真言宗のお寺。「西陣の聖天さん」と親しまれ、神仏習合の小さなお寺ですが、真言宗ならではの摩訶不思議な世界感があります。 例年4月中旬頃に咲く上品な黄緑色の花を咲かせる「御衣黄桜(ぎょいこう)」があります。
● 大原千鶴先生の花見弁当(お花見女子会)
石山寺の芭蕉庵(非公開)。大原千鶴先生の実家の「美山荘」は、広河原の手前の花背・峰定寺。お隣の「門前茶屋」は行きつけですが、一度、しっぽりとお泊まりしたいものです。
エンディングテーマ「京都慕情」(武田カオリ)の言霊・・・涙です。陰陽師の蜜虫役も素敵だった本上まなみバージョン「月夜の告白編」のシーン。透明感のある曲とともに、本上まなみが演じる骨董屋の若女将のせつなさが伝わります。
ちなみに老舗和菓子処「久楽屋春信」は俵屋吉富さんの本店(上京区室町通上立売上ル)でした。宝暦5(1755)年創業、代表銘菓は上品な高級和菓子「雲龍」。
P.S. このたびドメインを「.kyoto」に変更。これでNobusan京都観光ツアーのHPも「京都人」になった感じがします。引き続き、宜しくお願い申し上げます。
大徳寺。臨済宗大徳寺派大本山。本尊は釈迦如来。開基は燈国師宗峰妙超で、正中2年(1325年)に創立。
一休禅師で知られるこのお寺は、茶の湯文化とも縁が深く、ほとんどの塔頭に茶室があり「大徳寺の茶面( ちゃづら)」と称されます。
佛殿(本堂)は天井絵もこじんまりとし、とても質素す。でも、お釈迦の仏像が良いお顔で見守ってくれています。参道の脇にそれていることもあり、お参りする観光客は少ないようです。
大徳寺には大きな黒松が多くありますが、佛殿の前にそびえるイブキの巨樹は佛殿が焼失し、再建時(1665年)に植えられたものと思われます。樹齢は350年ほど、佛殿のお釈迦さまも盛夏にはよい日よけとなっていることでしょう。
浄土真宗本願寺派の本山。山号は龍谷山。通称、西本願寺、正式名称は「龍谷山 本願寺」。
「お西さん」として親しまれ、親鸞聖人の志(法灯)を受け継ぐ開かれたお寺です。
西本願寺のライトアップといえば前回、2016年10月に初めて催行され、今回で2回目。
今回は書院もライトアップ、また、金閣・銀閣とともに京都の三名閣の飛雲閣も撮影可能です。
熊本弁の信徒さんらも多く訪づれていました。
【今回の日程】
・4月25日(火)~5月2日(火)
・5月9日(火)~5月16日(火)
・5月24日(水)~5月31日(水)
【時間】 19:00~21:30 (最終入場は21:10まで)
【入場料】 無料。
整理券が渡され、100名ほどのグループごとに10分間隔ぐらいで入場します。開門時間を避け20時過ぎからがお奨めです。受付には「H28年熊本地震災害義援金」への募金箱も設置されています。
受付で頂ける栞と書院ガイドブックは結構良いものでした。
見所満載の西本願寺。いわゆる観光寺にはない京都の奥深さを感じとれる素晴らしい仏教イベント(伝灯奉告法要)でした。義援金をお布施として収め、阿弥陀堂ではお焼香と消災呪を唱えました。
京都では立秋とは名ばかりの猛暑が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
まもなく、お盆、お精霊迎いと送りの鐘を鳴らします。お精霊送りの16日は五山の送り火です。
お盆の後の21日は、東寺の弘法さん。「古道具屋」「古着屋」「植木」などの露店が朝早くから並びます。8月の弘法さんは残暑も厳しいこともあり、例年、人出は少ないようです。
是非、まだ涼しい午前中にお立ち寄りください。
露店の多くは「お得な掘り出し物」を扱っていますが、稀にキャッチセールスのような商売をしている人もいますので、吹っかけらたお高い品をつかまらされることにもなりかねませんので、くれぐれもお気を付けつつ、お楽しみください。
9月中旬までは東門にある池の蓮の花がきれいに咲いているものと思います。蓮の花は早朝からがお奨めです。
なお、東寺の開門時間は早朝の午前5時、拝観時間は8時半で音楽が流れます。
平成二十八年 立秋
Nobusanこと
永 田 信 明 Nobuaki Nagata
今年は祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾巡行(7月17日)の翌日に梅雨が明けました。例年、この時期に雷がなり、通り雨の後、梅雨が明ける京都です。
後祭(あとまつり)の山鉾巡行は7月24日。
コンチキチンの祇園囃子が鳴り響くお祭りの後、8月には大文字・五山の送り火、松上げなど火の神さま、仏さまの行事が待っています。
これからは涼を求めた観光スポットや早朝からの観光もお奨めです。
Nobusanこと
永 田 信 明 Nobuaki Nagata
夏越の祓の行事「茅(ち)の輪くぐり」。
年二回、6月(夏越の大祓)と12月晦日(師走の大祓)に行う日本古来の神事。茅の輪をくぐって、半年間の汚れを祓い清めて無病息災を祈願する行事。
京都の神社でも、6月30日夕暮に茅の輪をくぐり、身を清めます。
茅の輪くぐりの作法、
「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延というなり」
と唱えながら、先ず左足から踏み入れ 、左回り → 右回り → 左回り・・・・と、「∞」の字を描くように 3度くぐります。
皆で回るのでご安心。
その後は、和菓子の水無月(みなづき)を食べる習慣があります。
水無月には、シンプルな白ういろう、抹茶、黒糖があります。氷が貴重だった頃、氷のかけらをかたどった三角形の和菓子が作られるようになったのが始まりとか、 また、上に飾る小豆は、厄除けの意味があるそうです。
京都では毎年、氏子の担当役には、参拝後に水無月が振舞われる神社が多いようです。
法金剛院(ほうこんごういん)。花園妙心寺近くにある律宗のお寺。この寺の起こりは古く平安時代の初めで、その後、大治5年(1130)に鳥羽天皇の中宮待賢門院(たいけんもんいん)が都の西方に極楽浄土を求めて壮麗な伽藍を建立、法金剛院と号したのが始まりです。
平安後期の定朝様(じょうちょうよう)の阿弥陀像や金箔が貼られていたことから金目(かなめ)地蔵と呼ばれる木造地蔵菩薩坐像を安置。お地蔵さまは通常非公開ですが毎月23日に法要が営まれます。ご参加は自由。
極楽浄土に咲く花と云われる蓮の花で有名なお寺。
特別名勝の回廊式庭園では、7月上旬~8月初旬が見ごろ。この期間、早朝から開門して観蓮客を喜ばせています。早朝のご参拝がお奨めです。
早くも蓮が咲きはじめていました。
酬恩庵(しゅうおんあん)。臨済宗大徳寺派。枯山水の石庭、一休宗純(一休さん)の木像のほか、「一休寺納豆」でも有名。「一休寺」とも呼ばれ、多くの人が訪づてれいます。
梅雨の今、沙羅双樹(夏椿)がお庭に咲いていました。
平家物語・「祇園精舎」の冒頭部分は次の一節から始まります。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
晩年、一休さんは、大本山・大徳寺の「徳禅寺」住持となったものの、このお寺から約30キロの道のりを輿で通っていました。方丈に奉られている一休肖像の隣の部屋には愛用したとても小さな輿も置かれています。
大徳寺に住まわなかった理由は定かではありませんが、紫衣(高僧の証)を纏う権威の世界の居心地悪さや若き盲女の旅芸人・森女との晩年の水入らずの生活を何よりも楽しんでいたとのことです。
「世の中は起きて稼いで寝て食って後は死ぬを待つばかりなり」の名言や、お正月には竹ざおの先に髑髏を括り付け、「正月は冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし 御用心!、御用心!」といって町中を歩き回った奇行を通じて、トンチに富んだ言動で世の現実の中にある「本質」を突きつけたお坊さんでした。
若き頃に自殺も決意したこともあるこの禅宗の名僧の思想には、世間の常識を超えることが悟りを開く一歩というものだったのかもしれません。
このお寺で88歳の生涯(1394-1481)を閉じる際には、「死にとうない」と述べたと云われています。 合掌
甘樫丘(あまかしのおか・奈良県高市郡明日香村)。飛鳥一円が眺望できる標高148m、東西数百m、南北1kmほど広がる丘陵。
この地は古くは日本書紀などにも記述、誓盟の神(甘樫坐神社:あまかしにいます)が鎮座し允恭天皇(いんぎょう)の時に盟神探湯(くかたち:神判)が行われた地。大化の改新以前には蘇我蝦夷(そがのえみし)、入鹿(いるか)父子が邸宅を構えた所だとも云われています。(2007年2月、東麓遺跡に7世紀前半~中頃の建物跡を発見)
「神なび」として神の宿る山とされ信仰された場所でもありました。古代から倭の国の神秘の地でした。また、仏教伝来の地として、華やかな文化の花を開かせた都でした。
今でもその眺めはのどかです。
苔寺。正式名は臨済宗西芳寺(さいほうじ)。嵯峨天龍寺の境外塔頭。山号は洪隠山。本尊は阿弥陀如来さま、開山は行基と伝え、中興開山は夢窓疎石。世界遺産に登録されています。
お奨めは初夏から梅雨明けの雨上がりの翌日、苔が特に映えます。
このお寺は1977年から一般拝観を中止し、事前申し込み制となり、かつ拝観に際しては、原則、写経などの行事参加が条件となりました。
拝観料はお一人3,000円とちょっとお高いですが、ご住職さんの説法・般若心経の唱和や写経を本尊に永久奉納いただけることから、お布施の意味合いがあります。
いわゆる「観光寺」の風潮がある中で、同寺のスタンスは同感できる方も多いものと思います。
最近は海外のお客様も多いと伺っています。日本人が感じる侘び寂びの世界感をどのように理解してもらえるか、難しさの中に面白さがあります。
龍安寺境内にある西源院は塔頭、ただし、現在は湯どうふ屋さん。
名物の七草湯豆腐は、しいたけ、にんじんなどの野菜と生麩などの具が入ったもので、お一人1500円。お庭を眺めながら料理が頂けます。
【禅寺での主なお食事処】
・大徳寺塔頭大慈院 「精進鉄鉢料理(てっぱちりょうり)・泉仙」
・妙心寺 御用達「精進料理・阿じろ」
・東福寺塔頭天得院 「精進料理・矢尾治」
・黄檗宗大本山万萬福寺 「普茶料理(ふちゃりょうり)」
禅の修業は、 日常生活にある(行住坐臥(ぎょうじゅうざが))
・行(活動すること)
・住(立ち止まってみること)
・座(座ること)
・臥(寝る、横になること)
すべてにおいて自己の心を知る修行の中に自己本来の仏性を明らめることを求めるもの。
従って、食事を作ること同様に食べることも大切なこととされ、厳しい規矩(きく)(規則)「五観の偈」が定められています。
私ども「煩悩具足の凡夫」はせめて「いただきます」の感謝の心で、お食事を楽しみましょ。(合掌)
お客様と観光案内でお寺を巡っていますとよく別の観光をされている方から、道案内などを尋ねられることがあります。
~先日も一休禅師、一休さんで有名な大徳寺境内でのひとこま~
>大徳寺のお寺に行きたいのですがどこでしょうか?
初めてのご質問でもなく慣れたものですし、また京のいけずでもありませんので、私からは「どこのお寺でしょうか?」と尋ねることにしています。
>どこの・・・エ~と高い桐と書くお寺・・・
はい、細川ガラシャの「こうとういん」ですね。竹やぶが見える参道を左に行って、すぐ右側に入り口がありますよ。
>ありがとうございます。
大本山などのお寺は「塔頭」(たっちゅう)と言われる個別のお寺で構成されています。この塔頭というのは元々、高僧のお墓のことでしたが、その近くに小庵を建て弟子たちがお墓をを守ってきました。
年月を経るとともに、それらの小庵が明治以降にお寺として独立、今日に至っています。
ご案内するお客様にはこのようなお話をしています。
また、こんなこともありました。京都駅前からのお客様が「京都議定書までお願いします」と言ってご乗車されました。
「京都議定書」は、1997年に京都で開催され会議に、世界各国から多くの関係者が参加され、先進国の二酸化などの排出削減の数値目標などを定めました。
もちろん宝ヶ池の「京都国際会議場」までご案内しました。
あるいは京都在住の政界や経済界などで活躍される方の中には、「○○邸までやってくれ」という御仁もおられました。
地方出身のタクシードライバーは、京都は大変なところかもしれませんね。
いずれも相手様の思いを察することも観光タクシーのお勤めの一つです。
今年のゴーデンウィークも終盤です。今回は「キョウハク」に立ち寄りました。
旧帝国京都博物館の「明治古都館」(本館)と2013年に竣工した「平成知新館」があります。本館は特別展示館として利用され、平成知新館は平常展示館として利用されています。特別展が年に数回行われます。
<現在開催の特別展>
臨済禅師1150年 白隠禅師250年遠諱記念 禅ー心をかたちにー
2016年4月12日(火)~5月22日(日) *月曜日は休館
一生に一度の遠諱(遠忌)のための特別展です。神社仏閣の拝観の際に是非、お立ち寄りください。
白隠慧鶴禅師の墨蹟 「直指人心 見性成仏」
真理は自己の心のなかにこそ発見でき、真理であるその自己の本性をみるならば、仏となることができると、誰もが仏になる可能性(仏性)を問いただすもの。
禅寺の庭を背筋を伸ばし、しばし静謐(せいひつ)な心持ちで眺めることで、心の中で「円相」(禅の教えの全て)を見つめることにつがるかもしれません。
様々な情報が行き交うデジタル化の時代こそ、「吾唯知足」(われただたるをしる)の心で自己を見つめる時間はとても貴重で贅沢なひとときかと存じます。
先達からの墨蹟や禅画、師匠からの禅問答は、自らの心に問いかけられ、それに答える会話です。楽しみましょ!
”えんそう”。「空・風・火・水・地」世を構成する五つの要素。この五つの要素を一筆で書くと円になるといいます。つまり、森羅万象の姿、形を最も簡略に描いたもの。この円はまた、完全無欠の円、角のとれた円満の円の意味を持ちます。
松井酒造の十五代当主とお祖父さんです。
洛中にある江戸時代(享保11年)の創業、約300年の老舗。
ただし、醸造設備は近代的。これも時代の変化。
食のグローバル化に伴い、国産米や国内の水を使って国内で醸造された清酒だけを「日本酒」と定義しようとする時代。
「京のよきもの三つ。女子、賀茂川の水、寺社」。水の旨い京都、ほんまもんのお酒の試飲を楽しみましょう。
日本酒はこれからも”Made in Japan”がNo1であり続けたいものです。
香港からのゲスト。
今日はタクシードライバーでは無く通訳ガイドのお仕事。
長年ご利用頂いている会社からのご依頼。
いつもと違い、またこれも楽しいですね!
定番の清水寺、金閣寺の観光でした。お食事は東山を借景に、南禅寺景勝の閑静な疏水べりにたたずむ料亭「南禅寺ギンモンド」。
アメリカからのゲスト2日目。
今日は東方面を回りました。
その一つ、「新熊野(いまくまの)神社」。
ここの大樟(おおくすのき)は東大路通りに面し、大きな枝を一杯に広げています。
今から840年ほど前に、後白河法皇が自らお手植えされたものとか。 和歌山県の熊野から移植されたもので、京都市指定天然記念物に指定。
アメリカからのゲスト。
最初の希望は竹林と有名処、それに京都のお土産の定番、「生八つ橋」のお店。
苔の綺麗な祇王寺とこちらも定番コースの金閣・銀閣寺。
外国の方にも、銀閣寺は人気スポット。
今日は勉強のため下見に訪づれました。
皇室の子弟が入寺する「門跡寺院」、確かに風格のあるお寺です。
日本三不動の一つ「青不動明王」(国宝)や豊臣秀吉寄進の「一文字型蹲」(つくばい)など貴重な文化財も保有しています。
「青不動明王」は、2014年秋の将軍塚青龍殿洛慶の際に2度目のご開帳。その前が2009年秋、リーマンショック後に創建以来初めてご開帳、信仰上も美術史上も至高の仏教絵画です。
池泉回遊式庭園を歩くと「ご自由にお撞きください」との案内板に誘われ、ひとつ撞かせていただきました。梵鐘の音は心が洗われます。(合掌)
ニューヨーク郊外からのゲスト。
お子さんの希望でポプラーな「伏見稲荷大社、二条城、金閣寺」巡り。
奥様は日系の方、つい日本語でのご案内になりそうでした。
米ニューヨーク郊外からのグスト。
今回は時間の制約で、金閣寺、龍安寺、仁和寺と愛宕念仏寺の旅巡り。
日本情緒がある嵯峨鳥居本の近辺も大変喜ばれました。
私のお勧めは静かな場所。私のチョイス、喜んで頂けたと思います。
カナダからのゲスト3日目。
今日は京都御所、高桐院、大仙院、銀閣寺、金地院を回りました。
あいにく大徳寺塔頭の大仙院と南禅寺塔頭の金地院の特別拝観は写真禁止でしたが、金地院の鶴八窓席茶室の襖絵長谷川等伯筆「猿猴捉月図」はいつ見ても感動です。
大徳寺塔頭の高桐院のお庭、独占しました。
引き続きカナダからのゲスト。
二条城、清水寺、月桂冠大倉記念館、伏見稲荷大社と有名処のご案内です。
酒造りの過程も勉強しておいて良かったです。
最近、欧米でも日本食ブームとの関係で日本酒、大吟醸が人気。そこで本物の日本米を使用したMade in Japanの日本酒ブランドが定義されました。
これでTPPでのお米問題も少しは活路が見出せませんかね。
カナダからのゲスト。三日連続のツアーです。
天龍寺の曹源池庭園と金閣寺の樹齢6百年の船の形をした陸舟の松。
松の造形は大きな盆栽です。盆栽や箱庭に興味を持つ外国の方も多いようです。
さて、明日も梅雨の晴れ間、良いツアーになりそうです。
日本人のお客様同伴のドイツからのゲスト。
今回が初めての京都観光とのこと。
巽橋前が「祇園のお稲荷さん」の辰巳大明神。
でも、狐さまではなく「狸さま」。
巽橋に 住んでいた狸が、橋を渡る人を化かしては白川の中を歩かせていた事に困った人々が、この狸を祀る小さな祠を立てたところ、いたずらが収まったと伝わります。
舞妓、芸妓さんが芸の上達を願いお参りする場所。失礼ながらも伊の映画監督(アカデミー賞受賞者)もご案内したことがあります。(笑)
ルイジアナからのゲスト。
京都の気候は米国南部のルイジアナとよく似てるそうです。
この蒸し暑さは全然平気の様子でした。
却って小生がへばりそうでした。
アメリカから入洛されたゲストのお子さんたちです。
好きな阿羅漢のポーズをして貰いました。
ここは外人さんに人気がありますね!
ちなみに「阿羅漢」(アラカン・ラカン)さまは、悟りを得て人々の尊敬と供養を受ける資格を備えた仏様です。(合掌)
今日はスイスからのゲストでした。
観光客が少ないお寺がご所望でした。
嵐山の竹林は人気が有りますが早朝でしたので、人もまばらでした。
朝夕は住民の散歩コースです。鶯の鳴き声も楽しめます。
写真の苔の庭は「龍源院」の龍吟庭ですが、禅では龍吟虎嘯(りょうぎんこしょう)は悟りを意味します。
是非、この庭で悟りを開いてください。
モネの睡蓮を彷彿させます。
午後からは花は閉じますので、出来るだけ午前中に見に行って下さい。
観光タクシー運転担当 & 通訳案内
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