信楽町(しがらきちょう)。陶磁器の信楽焼の里ではどこへ行っても出会うのが狸の焼き物。
「信楽=狸」のイメージは、昭和26年に昭和天皇の信楽行幸の際、小旗を持ち沿道に延々と並んで天皇を歓迎する信楽狸が報道され、定着したと言われています。
なんとなく憎めないこの姿かたちは「八相縁起」と呼ばれる縁起を表しています。
狸には笠・目・顔・徳利など「八相縁喜」という八つの縁起がありますが、狸のほか、無事カエルや福を呼ぶ福々浪 (フクロウ)の置物も人気です。
京都の民家では玄関の入り口に狸様がお出向かいしてくれます。
また、宮本武蔵の「一乗下り松」の戦いで有名な京の地に、「タヌキ谷のお不動さん」の愛称で親しまれる狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)があります。境内にはその名の通り「タヌキ」の焼き物が多く置かれています。これは「タヌキ~他抜き~他を抜くということから、参拝者が置くようになったのが始まりだとか。他を抜くということから、商売繁盛や芸事上達の祈願に、芸能人やスポーツ選手も多く参拝に来られます。
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●信楽焼 日本六古窯の一つで侘び寂びの世界観を演出
●室町・桃山時代以降、茶道の発展とともに「茶陶信楽」として茶人などに親しまれ珍重