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八瀬の里 瑠璃光院の紅葉

瑠璃光院(るりこういん)。浄土真宗。正式には無量寿山光明寺京都本坊(岐阜光明寺が京都本坊として近年、開設)。

 

その昔の平安時代には貴族の別荘地で八瀬にある名刹で、この地には、多くの伝承が残っています。

壬申の乱(672年)の傷を癒したと伝わる日本古来のサウナの八瀬名物「かま風呂」や最澄が使役した鬼の子孫の伝説、あるいは後醍醐天皇の受難を救った功績から地租課役が永代免除となり、以来、天皇の行幸や葬送の際に輿を担ぐこと任せられてきた「八瀬童子(やせどうじ)」の地。

近年でも天皇大葬の儀で八瀬童子が天皇の棺を載せた葱華輦(そうかれん)を担ぎ、また、直近の昭和天皇の時にも同会の代表が東の京での葬送に参列。

 

今秋も特別公開の中、2階建て数奇屋造りから眺める視点を変えたお庭や床もみじが堪能できます。ただ、拝観料2千円とお高く、それでも多くの方が参拝され、入れ替え制となっている点が残念な点でしょうか。人里離れた里山(off the beaten path Satoyama)では、のんびりと紅葉狩りの「寂」を楽しみたいものです。

 

このような八瀬の里ですが、まもなく比叡おろしで綾錦をまとった秋の山々も冬山になります。暖かな「かま風呂」にでも入り、ほっこりしましょ。

 

なお、床もみじでは、岩倉実相院の客殿から眺める景色がお奨め。

漆黒の床板に映りこむ外の楓の木々の風景。紅葉ときだけでなく、新緑の深緑、真冬の雪化粧と季節ごとに移り変わる風情は生と寂の世界です。