正伝寺(しょうでんじ)護国禅寺。西賀茂にある臨済宗南禅寺派。山号は吉祥山。ご本尊は釈迦如来。本堂(重文)は承応2年(1652)に伏見城御成御殿の一部を移建。内部の襖絵は狩野山楽筆。
庭園は、霊場の比叡山を借景に白砂の上に石ならぬ皐月の刈込で七五三を表現した枯山水(「獅子の子渡しの庭」)。東にある比叡山は、西にある愛宕山とともに京都を守護するお山ですが、東山三十六峰の中でも、特に優雅な雄姿です。
また、方丈廊下の天井は、血痕や手形が染みついた「血天井」。関ヶ原の戦い前の西軍相手の戦いで、家康の家臣、鳥居元忠による伏見城の立て篭もりで家臣たちと自害、その痕跡が残る板間を天井板として使用。
同様の「血天井」は、
・ 養源院(東山、俵屋宗達12面の襖絵)
・ 源光庵(鷹峰、悟り・迷いの窓)
・ 天球院(妙心寺、非公開、京都人の密かな愉しみ「珈琲夢譚の井戸、ロケ地」)
・ 宝泉院(大原、額縁紅葉)
・ 興聖寺(宇治、曹洞宗最初のお寺)
・ 神應寺(じんのうじ、八幡市、イロハモミジ大木群生) にもあります。
いずれも、ご供養ということですが、ストイックな世界感かもしれません。
親日家と伝わるDavid Bowieはこの景色をこよなく愛し、感動の余り涙した場所。また、谷村新司も幾度となく訪づれている心安らぐ場所とのことです。ミュージシャンには何かを感じさせる場所なのかもしれません。凡人の私でも比叡山の雄姿はいつ見ても素晴らしいものです。比叡山延暦寺の紅葉の見頃はまもなくです。
なお、京都セレブもお気に入りのパティスリー菓欒の「西賀茂チーズ」のお店も近くにありますので、お立ち寄りください。