京都は、東映京都撮影所があることやTVドラマなどのロケ地としても人気があることから、街を歩いているとロケに出会うこともしばしばあります。最近のメッカは、一条戻橋の下にある明治6年に架けられたアーチ石橋「堀川第一橋」の近辺でしょう。
今回はNHKのBSプレミアム放送の「京都人の密(ひそ)かな愉(たの)しみ」の最終話「桜散る」(昨晩5/13放映)で登場した撮影スポットで気づいた場所を中心にご紹介します。
「京都人の密かな愉しみ」は、二十四節気の細かい季節感をテーマとした映像美に加え、京都人の心の本質を探る内容で、3つのドラマが章を変えて進行する構成や京都人もドラマとは別に登場する番組構成で、毎回、楽しみにしてきました。
● 老舗和菓子の娘三八子(常盤貴子)と弟子の三上(石丸幹二)の別れと再開
本法寺多宝塔と満開の夜桜が見事でした。裏千家に隣接する裏千家の境内のようなお寺ですが、宗派は日蓮宗本山。本阿弥家の菩提寺で、長谷川等伯や本阿弥光悦らの秀逸した宝物を多く所蔵。
● 桜の陶芸家の桜皿に秘めた大人の愛の物語
京都市内の最果て左京区広河原・窯築窯蕗窯(小松華功)。密会の場所は、サスペンスマジックで右京区京北町の「魚が渕の釣り橋」。枝垂桜も見事でした。桜守の佐野藤右衛門さんもお元気に山桜を木登りして登場。
桜皿をセットであることを鑑定したお店は、小川通り今日庵、不審庵の上にある「茶道具みやした寺之内通店」。
● ヒースロー(団時朗)の縁切りの願い・三八子の凛とした日傘姿
西陣の雨宝院と不焼寺(焼けずの寺)の瓦塀(本隆寺)。雨宝院は古義真言宗のお寺。「西陣の聖天さん」と親しまれ、神仏習合の小さなお寺ですが、真言宗ならではの摩訶不思議な世界感があります。 例年4月中旬頃に咲く上品な黄緑色の花を咲かせる「御衣黄桜(ぎょいこう)」があります。
● 大原千鶴先生の花見弁当(お花見女子会)
石山寺の芭蕉庵(非公開)。大原千鶴先生の実家の「美山荘」は、広河原の手前の花背・峰定寺。お隣の「門前茶屋」は行きつけですが、一度、しっぽりとお泊まりしたいものです。
エンディングテーマ「京都慕情」(武田カオリ)の言霊・・・涙です。陰陽師の蜜虫役も素敵だった本上まなみバージョン「月夜の告白編」のシーン。透明感のある曲とともに、本上まなみが演じる骨董屋の若女将のせつなさが伝わります。
ちなみに老舗和菓子処「久楽屋春信」は俵屋吉富さんの本店(上京区室町通上立売上ル)でした。宝暦5(1755)年創業、代表銘菓は上品な高級和菓子「雲龍」。
P.S. このたびドメインを「.kyoto」に変更。これでNobusan京都観光ツアーのHPも「京都人」になった感じがします。引き続き、宜しくお願い申し上げます。